2008年に前向きコホート調査を実施した20~60歳の男性労働者を6年間追跡し、血清脂肪細胞特異的脂肪酸結合蛋白質(FABP4)と糖代謝異常およびメタボリックシンドローム(MetS)発症との関連を検討した。その結果、血清FABP4濃度の上昇とともに糖代謝異常およびMetS発症率は有意に上昇した。また、多変量調整後の相対危険は血清FABP4濃度の上昇とともに糖代謝異常では上昇する傾向を示し、MetS発症においては有意に上昇した。以上のことより、血清FABP4濃度の上昇は、MetS発症リスクの上昇と有意に関連することが示され、MetSの進展状況を予測する指標となる可能性が示唆された。
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