研究課題/領域番号 |
25860440
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
釜野 桜子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00612574)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性炎症 / コルチゾール / サイトカイン / hs-CRP / 食習慣 / ストレス / 栄養疫学 |
研究実績の概要 |
慢性炎症は、心血管疾患や糖尿病などとの関連が明らかになってきており、後の様々な生活習慣病発症に関わる病態であることから、若年成人のストレスや食生活による炎症への影響を明らかにする必要がある。本研究では、ストレスおよび食事が、若年成人の炎症状態に対しどのような相互作用を示すかどうかを疫学的アプローチにより解明することを目的としている。 本年度は、大学生に対する本調査を開始した。食生活やストレスに関する質問票、食物摂取頻度調査票を実施し、唾液や血液を採取した。得られたデータは、その都度データチェック・入力を行った。対象者である大学生(20歳以上)の傾向として、まず食習慣に関しては、朝食を全く摂取しない者が比較的存在し、近年の国民健康・栄養調査の20代の結果と同様の傾向であることが分かった。また、ファストフード店(ハンバーガー等)の利用を月1回以上行う者がほとんどであるなど、大学生に特徴的なデータを得ることができている。食物摂取頻度やストレスに関しては結果を集計し、唾液や血液中のバイオマーカーの測定が終了すれば多変量解析によりそれらの相互作用について解析することができる。研究代表者は本年度内に1年以内の産前産後・育児休暇を取得したため、多くの参加者を集めるまではできなかったが、調査の修正点も見直すことができた。産前産後・育児休暇の取得に伴い、事業期間の1年間の延長を申請した。次年度以降、なるべく早めに参加者のリクルートを終了させる。質問票のデータは、その都度、入力と集計を行う。唾液中のコルチゾールや血液中の炎症性因子であるhs-CRPやサイトカインの測定は、検体が揃い次第、実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は本調査である大学生を対象とした調査を開始した。年度内に研究代表者の産前産後・育児休暇を挟んだため、順調に対象者のリクルートが進んだとは言えないが、事業期間の1年間の延長を申請したので、遅れは十分取り戻すことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、研究代表者が1年未満の産前産後・育児休暇を取得したため、事業期間の1年間の延長を申請した。よって研究全体の推進に影響を及ぼすことはないと考え、平成27年度は引き続き本調査である大学生を対象とした調査を実施していく。そして、唾液および血液中の炎症性因子の測定を行い、食習慣やストレスの質問票の結果との関連を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、本調査を開始することができたが、研究代表者の産前産後・育児休暇取得のため、当初必要としていた採血や唾液採取のための消耗品の購入が抑えられた。また、それらの測定関係の消耗品の購入については使用期限を考慮し次年度に見送った。謝金の支出も当初の計画より少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度、購入予定であった採血や唾液採取に係る消耗品および唾液や血液中の炎症性因子の測定キットの購入を予定している。また、協力者の謝金も計上している。
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