研究課題/領域番号 |
25860443
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
丸山 広達 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20627096)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ビタミンD / 飲酒 / 横断研究 / インスリン抵抗性 |
研究概要 |
平成25年度はビタミンD摂取と糖尿病の原因であるインスリン抵抗性・感受性についての横断研究を実施した。当該研究の目的は、インスリン抵抗性や感受性との関連を示した研究は少ないことが背景にあるため、ビタミンD摂取とインスリン抵抗性・感受性との関連について検討した。 申請者らが主体となって運営している、愛媛県東温市民を対象とした疫学研究「東温スタディ」において、糖尿病治療中、75g糖負荷試験を受けなかった者を除いた、30~79歳の男女1919名を対象とした横断研究を行った。ビタミンDは食物摂取頻度調査FFQgを用い評価した。75g糖負荷試験前、試験1、2時間後に採血し、インスリンと血糖値を測定、インスリン抵抗性の指標として、HOMA-R、感受性の指標としてMatsuda indexを算出した。男女別に、ビタミンD摂取量四分位別のHOMA-R・Matsuda indexの平均値を比較した。 男性のビタミンD最低摂取群、最高摂取群それぞれのHOMA-Rの多変量調整平均値は1.57、1.58、女性では1.33、1.30、Matsuda indexは、男性の最低摂取群、最高摂取群それぞれ、6.06、6.72、女性では7.43、7.50であり、有意差や有意な関連はみられなかった。しかしながら、飲酒習慣別で分析した結果、飲酒している女性のHOMA-Rは、最低摂取群:1.25、最高摂取群:1.08(直線性p=0.04、飲酒の交互作用p<0.01)であった。また飲酒していない男性のMatsuda indexは、最低摂取群:5.43、最高摂取群:7.11(各p=0.05、p=0.26)、飲酒している女性は、最低摂取群:7.06、最高摂取群:8.16(各p=0.03、p=0.07)であった。その他の生活習慣や肥満度による交互作用はみられなかった。 本研究では、特に飲酒している女性において、ビタミンD摂取が多いほどインスリン抵抗性・感受性が良好である傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度内に血中ビタミンD濃度の測定が終えておらず現在測定法の検討を共同研究者と行っている。なお、測定用の血清は確保してあるため、測定法が確認でき次第測定に移る。 食事からのビタミンD摂取量と生活習慣やインスリン抵抗性との解析についてはおおむね順調に実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者の協力を得て血中ビタミンDの測定を行う。 また、本年7月より平成21年度受診者に対する追跡調査を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度は測定する予定の血中ビタミンD測定を行えなかったこと、研究成果報告会が平成26年度に遅れたこと(平成26年5月19日開催予定)、予定よりも学会発表回数が少なかったことなどが挙げられる。 25年度測定予定の血中ビタミンD測定、平成26年5月19日開催予定の研究成果報告会、平成26年7月から実施する追跡調査に充当する。
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