研究課題/領域番号 |
25860443
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
丸山 広達 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20627096)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コホート研究 / ビタミンD / カルシウム / インスリン抵抗性 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、血中・食事性ビタミンD、カルシウム摂取とインスリン抵抗性・糖尿病発症との関連についてのコホート研究を実施するため、2009年に受診した453名の受診者の内322名(71.0%)に対して、フォローアップ調査を実施した。2009年時に糖尿病の服薬、また健診時に75gブドウ糖負荷試験を実施した際、空腹時血糖が126mg/dL以上または、2時間値が200 mg/dL以上の者を除外した283名の5年後の血糖変化を見た結果、5年後に糖尿病(空腹時血糖が126mg/dL以上または、2時間値が200 mg/dL以上、または服薬)を発症した者は男性で73名中7名(9.6%)、女性で210名中14名(6.7%)であった。 現在ビタミンD摂取と血糖の5年間の変化との関連について分析を進めている。 平成26年度は、25年度に引き続き横断研究も実施した。カルシウムや乳製品摂取と、糖尿病患者で合併率の高い高血圧との関連をビタミンD摂取の相互作用の検討も含めて分析した。2009~2012年に、30-79歳の愛媛県東温市民を対象に実施している疫学研究「東温スタディ」に参加した男性524名、女性1,065名を対象として分析した。その結果、男性ではカルシウム摂取量と血圧の有意な関連はみられなかったが、乳製品摂取量は最大・最小血圧とも有意な負の関連がみられた。女性全体では有意な関連はなかったが、ビタミンD摂取量が中央値以上の群でのみ、乳製品摂取と最小血圧との負の関連がみられた。しかし、ビタミンD摂取による相互作用はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年4月現在共同研究者の研究室にて血中ビタミンD測定法が確立したため、予定より少し遅れてだが、ビタミンD濃度の測定が開始されるため、「おおむね順調に進呈している」とした。 5年後追跡調査については予定通り実施しており、平成27年度は計画通り血中・食事性ビタミンD、カルシウム摂取とインスリン抵抗性・糖尿病発症との関連についてのコホート研究を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の追跡調査については、既に調査日程や測定項目などの準備は着実に進んでいる。考えうる課題として、追跡調査の参加率が想定より低くなる可能性が挙げられる。対応策としては、研究事務局や実施地域である東温市の保健従事者の協力を得て、参加率の向上を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画よりも当該年度の受診者が少なかったこと。また血清ビタミンの測定を実施していないためそれに充当する費用が少なかったこと。
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次年度使用額の使用計画 |
血清ビタミンD測定ならびに平成27年度の検査費用に充当する。
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