研究課題
本年度は、愛媛県の地域住民を対象とした観察型疫学研究「東温スタディ」において、ビタミンDならびにカルシウム摂取量と耐糖能異常ならびに循環器疾患危因子との関連をコホート研究デザインで分析した。本研究は、東温スタディの平成21、22年度に実施したベースライン調査、ならびに平成26、27年度に実施した5年後追跡調査に参加した30-79歳の男女788名を対象として分析を行った。5年間の当該集団のビタミンDならびにカルシウム摂取量の変化を分析したところ、ビタミンDは男女とも大きく変化しなかったが、女性ではカルシウムならびに主要供給源である乳製品摂取量は増加した(p<0.05)。ビタミンD摂取量の5年間の変化について、ベースライン時年齢が高いほど摂取量の増加がみられた。カルシウム摂取量の5年間の変化については、女性でベースライン時の肥満者は摂取量の減少がみられた。788名中ベースライン時で耐糖能異常者(空腹時血糖110mg/dL以上または治療中の者)を除外して、ベースライン時のビタミンD、カルシウム摂取量と5年間の耐糖能異常発症との関連を分析した結果、ビタミンD摂取量が多いほど5年後の耐糖能異常発症オッズ比は低い傾向がみられ、特にカルシウム摂取量の上位50%集団において、ビタミンD摂取量が多いほど有意に5年後の耐糖能異常発症オッズ比は低くなることがわかった。一方で、カルシウム摂取量と5年後の耐糖能異常発症との関連はみられなかった。
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Obesity (Silver Spring)
巻: 23 ページ: 1296-1302
10.1002/oby.21071.