研究課題/領域番号 |
25860447
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐伯 圭吾 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60364056)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 皮膚温 / 生体リズム / 室温 / 血圧 / 睡眠 / 肥満 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の実生活下において、生体リズムの指標である皮膚温の体幹・四肢皮膚温差を測定し、日内変動の振幅や位相と血圧・糖脂質代謝・肥満、睡眠など生活習慣病との関連の解明を目的としている。この知見は、生活リズムや、室内・寝床内の温熱環境の最適化による生活習慣病予防につながる点で重要である。 2013年度年度に測定した350人に加えて2014 年度は245名の①皮膚温(体幹部、手関節部、足関節部)、②自由行動下血圧、③夜間蓄尿法による尿中メラトニン代謝物、④うつ症状、⑤アクチグラフによる身体活動量、睡眠の質の測定、⑥BMI・腹囲、⑦空腹時血糖、HbA1c、コレステロール、中性脂肪、⑧居間・寝室の室温、⑨居間・寝室の照度、⑩腕時計式照度センサーによる日中曝露照度、⑪食事調査(食事摂取頻度調査質問票、デジタルカメラ記録法)測定を行い、合計595名のデータを得た。2015年時点で皮膚温DPGを測定した研究では世界最大規模のデータとなった。 2014年度の研究成果として以下のような新規性の高い研究結果を認め、学会発表や論文発表を進めている。①就寝前室温が低いと、入眠潜時が長い、②曝露室温が低い者において尿中ナトリウムから推定した塩分摂取量が高い、②日中室温が低いと夜間頻尿を訴える者が多い、③就寝時の手関節皮膚温と入眠潜時が負の関連する。 測定者数は、当初の予定(800名)よりやや少ないが、少ない欠損データで、精度の高い測定ができたことから、上記の仮説検討に十分なデータが得られた。2015年度は対象者数の増加はせず、結果の分析・報告に取り組む予定である。皮膚温は体幹1点、四肢2点での1分間隔測定を2日間行っており、1人あたり8640データが得られた。分析には、既存の線形回帰モデルやコサイナー法以外の新しい手法の導入に着手しており、同分析を効率よく行うソフトウェアの開発を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度年度に測定した350人に加えて2014 年度は245名のデータが得られ、皮膚温を測定した疫学研究では世界最大規模のデータとなった。 合計595名のデータは、当初の予定(800名)よりやや少ないが、欠損データが少なく、精度の高い測定ができたことから、本研究の仮説検討に十分なデータが得られた。またこれまでの分析結果から新規性の高い知見が得られていることから研究の達成度はおおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は対象者数の増加はせず、結果の分析・報告に取り組む予定である。皮膚温は体幹1点、四肢2点での1分間隔測定を2日間行っており、1人あたり8640データが得られた。分析には、既存の線形回帰モデルやコサイナー法以外の新しい手法の導入に着手しており、同分析を効率よく行うソフトウェアの開発を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定していたデータ整理を一部次年度に延期し、それにかかる研究補助の人件費が減少したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に人件費として使用する予定である。
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