研究課題/領域番号 |
25860449
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
長尾 匡則 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30621239)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 虚血性心疾患 / 発症調査 / 8-OHdG |
研究概要 |
本研究対象者の脳卒中および虚血性心疾患の発症状況を調査するため、茨城県C市における地域住民健診の受診者に対する脳卒中および虚血性心疾患発症状況の聞き取り(のべ4回)、同じく茨城県C市K地区において脳卒中および虚血性心疾患の発症が疑われるケースについての救急搬送録の採録、また茨城県C市役場において脳卒中および虚血性心疾患の治療に関連したと推測される国民健康保険の診療報酬明細書の採録、そして茨城県後期高齢者医療広域連合における後期高齢者医療の診療報酬明細書についても同様の採録を行った。今後、この調査で得られた情報を元に電話調査にて脳卒中または虚血性心疾患発症の確認を行い、受診医療機関における診療諸記録の閲覧により発症情報を確定する。 本研究において尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の測定に用いる高速液体クロマトグラフィーシステムについては、獨協医科大学への移設を完了させている。本研究では測定を予定している検体数が多いため、測定精度向上と1検体の測定に要するコストと労力と時間の短縮を目的として、最適なプロトコルを検討している。従来法では固相抽出による前処理を行うことで尿中の夾雑物を除去および濃縮を行い8-OHdGを検出しているが、この方法では固相抽出操作における作業者の習熟度によって誤差が生じる可能性がある。また固相抽出に用いるカートリッジのコストや時間が膨大になるという課題がある。そこで分析カラムとは別に前処理用のカラムを用いたカラムスイッチ法を採用することにより、前処理における人的誤差およびコストと作業時間の削減を図っている。測定プロトコルが確定し次第、保存検体の連続測定に着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
8-ヒドロキシデオキシグアノシンの測定プロトコルの最適化に時間を要している。ただしプロトコルが確定すれば、保存尿検体の測定は連続測定が可能であるため、当初の予定通り2年目(本年度)に測定が完了する見通しである。 脳卒中および虚血性心疾患の発症調査に関しては、関係機関とも円滑に協同できており予定通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中および虚血性心疾患の発症調査は初年度と同様に、当初の予定通り遂行していく。 当面は8-ヒドロキシデオキシグアノシンの測定条件の検討に注力し測定プロトコルを確定させ、本年度内に全ての尿検体の測定を完了させる予定である。 最終年度は当初の予定通り、引き続き発症調査を行い症例数を確保しつつ、データ解析および成果発表、論文執筆を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
最も費用のかかる8-ヒドロキシデオキシグアノシンの本測定が行える状況ではないことによる。当然のことながら本測定に伴う検体の輸送や測定技術員の人件費も発生していないため、前年度の支出額が当初の予定を下回った。 本測定をまとめて次年度(2年目)に行う予定であり、本測定に伴う諸費用として2年目の使用計画に盛り込む。
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