本研究2年目の2014年度では、研究目的②の労働態様の多様化に対応した作業強度の新しい一覧表の作成(フィールド調査で実際の労働現場において、多くの業種、職種、労働態様の労働者で心拍計を用いた計測および作業内容調査を実施し、作業強度の新しい一覧表を作成する)のフィールド調査を主に実施した。今回、調査対象として注目した業種、職種は、①人口高齢化のすすむ現代社会において高まる医療需要、介護需要を反映したコ・メディカルおよび介護施設の介護関連職、②技術の進歩発展により、作業方法が変化したと予測される製造業、③15歳以上就業者でもっとも多い卸売業、小売業の3業種であった。フィールド調査では、対象労働者に携帯型心拍数測定器を装着し、作業時の心拍数を記録した。同時に、作業内容ごとに心拍数を把握できるよう、作業を時間軸に沿って記録した。①に関しては、作業の記録を統一するために、フィールドでの事前調査に基づき職種ごとに作業見本一覧を作成し作業記録に用いた。以下に①~③の具体的内容を示した。 ①コメディカルおよび介護関連職:必要不可欠な職種であるが、約40年前に作成された作業強度一覧には掲載されていない分野であった。調査対象として、協力の得られた医療機関の看護師、看護助手、理学療法士、作業療法士、栄養士、精神科デイケアスタッフ、介護施設の介護関連職、のべ35名。②製造業:自動車製造業の組立工程のライン作業者、ラインの前工程作業者、部品補充作業者、のべ22名。③小売業:食品(生鮮食品、加工食品、惣菜調理)、服飾、日用品の販売、物品補充等に従事する作業者。 ①、②については2014年度中に実施し、③については2015年5月までにフィールド調査完了予定である。
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