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2016 年度 実績報告書

アルシンの慢性影響に関する研究―遺伝子発現とタンパク発現、行動学からの解析―

研究課題

研究課題/領域番号 25860463
研究機関昭和大学

研究代表者

山内 武紀  昭和大学, 医学部, 助教 (40576287)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードアルシン / 脳機能
研究実績の概要

半導体や発光ダイオードの製造過程で発生するアルシンは強い急性毒性を示します。しかし、管理濃度が設定されていないため、作業環境管理が必ずしも少なくないことが想定されます。2008年には重篤な中毒事故が発生しており、今後も中毒の発生が危惧されます。アルシンの急性影響は主に溶血ですが、慢性影響についての報告はあまり多くありません。
ところで、三酸化二ヒ素をマウスに曝露するとアルシンを曝露した時と同様の代謝物が血中に認められますが、三酸化二ヒ素曝露により高次脳機能障害が起こる可能性が近年示唆されてきました。
そこで本研究では、アルシンをマウスに曝露して行動学的な試験により脳機能の変化を評価し、さらにそのメカニズムについても明らかにして産業現場でのリスク管理に役立てることを目的としました。
何も処置をしていない群(対照群)、アルシンを曝露した群(アルシン曝露群)および三酸化二ヒ素を曝露した群(三酸化二ヒ素曝露群)の継時的な行動学的試験結果を比較すると、対照群とアルシン曝露群、対照群と三酸化二ヒ素曝露群およびアルシン曝露群と三酸化二ヒ素曝露群ではそれぞれ異なる傾向を示すことがわかりました。また、脳機能の変化を引き起こしている原因遺伝子の候補を得ることができました。
したがって、アルシンの曝露により脳機能が少なくとも一部影響を受けることが示唆されました。また、アルシンも三酸化二ヒ素もヒ素化合物の一種ですが、それぞれの曝露群で行動学的試験の結果が異なることから、代謝物よりも物質そのものの方が脳機能に大きく影響する可能性も示唆されました。

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公開日: 2018-01-16  

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