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2014 年度 実施状況報告書

震災・原発事故で疲弊した零細事業所労働者に対するターゲットを絞った保健指導の効果

研究課題

研究課題/領域番号 25860464
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

各務 竹康  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20452550)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード産業保健 / 東日本大震災 / 健康診断
研究実績の概要

平成26年度も、前年度に引き続き、阿武隈急行の社員を対象としたデータ入力、分析を行った。健康診断データについて、震災後となる平成24年度、平成25年度の健診結果を入力した。
また、阿武隈急行の社員について、震災前後の勤務形態についての情報を得た。震災後3ヶ月間は、全ての職員が線路、駅施設などの復旧作業を行っており、通常運転業務、駅業務、本社業務を行っている職員についても屋外での作業が中心となっており、それらの社員については、むしろ身体活動量が上がっていたのではないかと推測された。しかし、復旧後は通常勤務に戻っているため、この期間の影響が健康診断の値にどのように影響しているのかは、今後観察を続ける必要がある。さらに、震災後部署の再編があったため、業務の指揮系統に変化が生じた部門が発生した。これらの部門については、業務上ののメンタル面について調査を行う際は、震災が影響するものなのか、それとも部署の再編が影響するものなのか、慎重に見極める必要があると感じた。
福島県では、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響もあり、放射線被曝の不安をみる必要があるため、基礎データとして、線路沿線における震災後の放射線量についてのデータを収集した。震災後4ヶ月後の平成23年7月のデータでは、線路上も含め、職員が業務を行う全ての場所において、地上100cmの測定値で1.0μSv毎時を下回った。一方、地表面では、最大3.21μSv毎時と、局所的に線量が高値である場所が存在していた。これらの線量については、職員に周知されていることが確認できたため、今後個別にヒアリングを行う必要性がある。
また、震災時に当該事業所にて収集されていた健康データについて、論文化し発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

震災前後の健康診断の値について、集計および分析まで行う予定であったが、分析が未了であるため。

今後の研究の推進方策

引き続き、分析を進める。また、個々の業務形態を確認し、必要に応じて分析の際の変数に加えることを検討する。
最終年度でもあり、震災の影響がどのように労働者の健康状態に現れているのか、検討を勧め、学術的な発表を実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 深夜勤務後の疲労回復とストレス解消の自覚度との関連2014

    • 著者名/発表者名
      各務竹康 他
    • 雑誌名

      産業衛生学雑誌

      巻: 55 ページ: 116-120

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1539/sangyoeisei.B13005

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2016-06-01  

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