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2014 年度 実績報告書

食中毒起因ウェルシュ菌発症の引き金となる芽胞形成・毒素産生の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860467
研究機関大阪府立大学

研究代表者

安木 真世  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40589008)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードウェルシュ菌 / 食中毒 / 芽胞形成 / エンテロトキシン / 胆汁酸
研究実績の概要

用いたin vitro感染実験モデルでは、ウェルシュ菌食中毒株の芽胞形成時に宿主細胞傷害が観察された。腸管毒素遺伝子(cpe)欠損株では細胞傷害は認められなかった。従って芽胞形成時に認められる宿主細胞傷害は、CPE依存性であることが明らかとなった。
胆汁酸が芽胞形成・CPE産生を促進するメカニズムを解明するため、胆汁酸存在下・非存在下でウェルシュ菌のin vitro感染実験を行い、芽胞形成時の菌体DNAマイクロアレイを行った。菌体遺伝子の約1割が胆汁酸添加により有意な発現変化を示した。芽胞形成関連遺伝子では、胆汁酸添加で芽胞形成のマスターレギュレーターspo0Aの発現に有意差はなかった一方、その下流遺伝子群では有意な発現上昇を示した。またspo0A欠損株では胆汁酸添加時においても芽胞形成は誘導されなかった。以上の結果より胆汁酸はSpo0Aタンパク質の活性化に関与することが示唆された。spo0A下流遺伝子に先駆けて発現変化した遺伝子を胆汁酸応答遺伝子の候補とし変異株の作出を試みた。Targetron法では変異株は得られなかったため現在相同組換え法にて変異株の作出を行っており、結論は出ていない。
DMEM培地で確認された芽胞形成・CPE産生はRPMI培地添加により抑制された。RPMI培地成分である無機物A添加時でも同様に抑制された。RPMI培地から無機物Aを除去すると芽胞形成が回復した。従って無機物Aは新たな芽胞形成・CPE産生抑制因子であることが明らかとなった。好気培養または酸化剤H2O2投与時には菌の死滅に先行して芽胞形成の抑制が認められた。一方還元剤アスコルビン酸投与時、芽胞形成促進が認められた。従ってredox反応が芽胞形成の制御に関与することが示唆された。
以上の成果は国内外の学術集会で発表されると共に学術誌Microbial Pathgenesisへの掲載が確定した。現在新たな論文を準備中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] In vitro cytotoxicity induced by Clostridium perfringens isolate carrying a chromosomal cpe gene is exclusively dependent on sporulation and enterotoxin production2015

    • 著者名/発表者名
      Yasugi M, Sugahara Y, Hoshi H, Kondo K, Talukdar PK, Sarker MR, Yamamoto S, Kamata Y, Miyake M
    • 雑誌名

      Microbial Pathogenesis

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.1016/j.micpath.2015.04.003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Clostridium perfringens食中毒株はヒト腸上皮細胞株Caco-2と共培養時、芽胞形成に伴って細胞傷害性を示す2015

    • 著者名/発表者名
      安木真世、星英之、山本茂貴、鎌田洋一、三宅眞実
    • 学会等名
      第88回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜県岐阜市)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-28
  • [学会発表] A digestive enzyme in intestine may control the enterotoxin production by Clostridium perfringens2015

    • 著者名/発表者名
      三宅眞実、三宅達彦、安木真世、山本茂貴、鎌田洋一
    • 学会等名
      第88回日本細菌学会総会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜県岐阜市)
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-28
  • [学会発表] Bile acids accelerate sporulation via Spo0A activation in Clostridium perfringens2014

    • 著者名/発表者名
      Yasugi M, Hoshi H, Okuzaki D, Yamamoto S, Kamata Y, Sarker MR, Miyake M
    • 学会等名
      The 13th Awaji International Forum on Infection and Immunity in Nara
    • 発表場所
      奈良県立新公会堂(奈良県奈良市)
    • 年月日
      2014-09-23 – 2014-09-26
  • [学会発表] In vitro感染実験モデルを用いたウェルシュ菌エンテロトキシンの役割の解明2014

    • 著者名/発表者名
      菅原祐樹、星英之、山本茂貴、鎌田洋一、Sarker MR、三宅眞実、安木真世
    • 学会等名
      第35回日本食品微生物学会学術総会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府堺市)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-19
  • [学会発表] 黄砂を含む粉塵からボツリヌス菌を検出するための基礎検討2014

    • 著者名/発表者名
      長澤俊範、中尾元幸、石原陽子、幸田知子、安木真世、小崎俊司、三宅眞実
    • 学会等名
      第35回日本食品微生物学会学術総会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府堺市)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-19

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公開日: 2016-06-01  

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