石綿曝露による悪性中皮腫の発症を抑制する為の生体防御機構の一つとして、ナイーブCD8+T細胞が細胞傷害性T細胞(CTL)に分化し、分化後CTLが機能を持続して、適切に腫瘍部位へ遊走し、腫瘍細胞を攻撃・殺傷することが重要である。本研究では、石綿添加培地中で混合リンパ球培養法を用いてCTL分化誘導を行ったところアロ刺激によるCD8+T細胞中のCXCR3+細胞比率の増加が部分的に抑制された。一方で、ヒトCD8+T細胞株を用いて、石綿長期曝露亜株を作成したところ、granzyme B+、perforin+、及びIFN-gamma+細胞比率への5μg/mlの石綿曝露影響はなかった。
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