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2013 年度 実施状況報告書

遺伝学的手法を用いた医療系学生と患者間におけるMRSAの伝播に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25860479
研究種目

若手研究(B)

研究機関浜松医科大学

研究代表者

橋本 大  浜松医科大学, 保健管理センター, 講師 (20467236)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードMRSA / 院内感染 / 医療系学生
研究概要

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus:以下MRSA )は院内感染の主要な菌であり、感染抵抗力が減弱した患者に重篤な感染症を引き起こす。MRSAの伝播形式は接触感染であり、院内で医療従事者の手指や各種医療器材を介して伝播する可能性がある。当院で臨床実習を行う医療系学生は広義の医療従事者として病原菌の保菌者また感染源となるリスクも高いが、その実態は明らかではない。
本研究では、自動細菌タイピング装置であるDiversiLab を用いて、病院内の入院患者から分離されたMRSAと、同時期に臨床実習学生より分離したMRSA についてDNA の型別・分類による比較検討をおこなう。これらの関連性を調べることにより、MRSA の感染・存在様式を解明するとともに院内感染予防対策や学生教育に役立てることを目指すものである。
平成25年度は、当院で臨床実習を行う医学科学生を対象としてMRSA保菌状況の調査をおこなった。学生の鼻前庭からシードスワブ(栄研化学)を用いて拭い液を採取し、MRSA選択培地(栄研化学)で35℃48時間の培養を行い、培養コロニーから同定・感受性試験を経て、オキサシリンのMIC≧4μg/mlの条件でMRSAと診断する。
臨床実習開始前と開始後6ヵ月の保菌状況を確認したところ、120名の学生のうちMRCNS(メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)は約40%の学生で発育したものの、MRSAは分離されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度の学生におけるMRSA保菌状況は、実習開始前/開始後ともに0%であった。これは過去に報告された実習後の医学生のMRSA保菌状況(3.4%)や看護学生の保菌率(2.1~7.4%)と比較しても予想以上に低値であった。
分離されたMRSA株を用いて、MRSAの型別(感受性、遺伝子変異)や病院内データベース上のMRSA株と比較して相同性を判定する予定であったため、やや達成度は遅れていると判断せざるを得ない。

今後の研究の推進方策

平成25年度と同様の方法にて検体数を重ねる。実習学生からMRSAが検出された際には、適宜、患者との関連についての解析を行う。統計処理が可能な項目については、統計学的に解析する。得られた知見を国内外で発表する。
今年度も引き続き実習学生の保菌状況を調査するが、MRSAのみでなくMSSAにも保菌状況調査の範囲を広げる方針である。病院内の入院患者から分離されたMRSAおよびMSSAと、同時期に臨床実習学生より分離した菌株 との関連性を調べることにより、MRSA の感染・存在様式を解明するとともに院内感染予防対策や学生教育に役立てることを目指す。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の遺伝子タイピング用のキット使用量が当初想定したよりも少なかったため。
平成26年度に予定している遺伝子タイピングとMRSAスクリーニング用の消耗品費に合わせて使用する。

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公開日: 2015-05-28  

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