芽胞産生菌による病院環境汚染と、そのリスクの解析を実施した。ディフィシル菌感染患者の35%の病室でディフィシル菌が検出された。検出場所は患者の接触が多い部位で、非感染患者周囲環境からは検出されなかった。環境汚染リスクとして、患者糞便の本菌培養陽性が挙げられた。本菌のPFGE解析では特定菌株が長期に病棟内に蔓延していることが示唆された。枯草菌とセレウス菌は全対象患者の環境から広く頻繁に検出された。医療従事者手指の芽胞汚染調査では、76.1%の医療従事者において汚染が見られた。汚染程度と、手指洗浄回数との間に有意な負の相関が見られ、芽胞汚染防止のため、2回/時間以上の手指洗浄が必要と考えられた。
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