死後撮影CTによって眼内出血や網膜剥離の診断はどこまで可能か

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25860485
• 研究機関: 秋田大学
• 研究代表者: 大島 徹 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70464427)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 法医学 / 法医病理 / 死後画像診断学 / 眼科学 / 児童虐待 / 放射線医学

研究実績の概要

本研究の目的は，死後撮影CTにおいて，どのくらいの大きさのどのような眼内異常所見であれば捉えることができるかを明らかにすることである．
CTで観察された所見として，上脈絡膜出血，加齢性強膜石灰化病巣，眼球癆，シリコンオイル注入眼等があった．CTで確認できなかった所見として，死後の網膜皺壁，星状硝子体症，硝子体出血，増殖硝子体網膜症等があった．最も高頻度に観察された網膜皺壁であるが，皺壁の丈は全例2mm以下で網膜下液を伴わないことから， CTでは観察困難と考えられた．上脈絡膜出血については，全例CTでも確認され，何れの症例も胸腔内圧が上昇するような状況があり，発症と死因との因果関係が考えられた．

研究成果

• [雑誌論文] Three cases of suprachoroidal hemorrhage associated with chest compression or asphyxiation and detected using postmortem computed tomography (2015)
  • 著者名/発表者名: Toru Oshima, Hiroshi Yoshikawa, Maki Ohtani, Sohtaro Mimasaka
  • 雑誌名: Legal Medicine 巻: 17 ページ: 188-191
  • DOI: 10.1016/j.legalmed.2014.12.003
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Four cases of orbital hyperdensity identified by postmortem computed tomography (2015)
  • 著者名/発表者名: Toru Oshima, Hiroshi Yoshikawa, Koji Dewa, Maki Ohtani, Kazuaki Nakauchi, Sohtaro Mimasaka
  • 雑誌名: Legal Medicine 巻: 17 ページ: 24-28
  • DOI: 10.1016/j.legalmed.2014.08.001
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Examination of postmortem retinal folds: A non-invasive study (2015)
  • 著者名/発表者名: Toru Oshima, Hiroshi Yoshikawa, Maki Ohtani, Sohtaro Mimasaka
  • 雑誌名: Journal of Forensic and Legal Medicine 巻: 30 ページ: 16-20
  • DOI: 10.1016/j.jflm.2014.12.011
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] スマートフォンを用いた死後眼底撮影法 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大島徹, 大谷真紀, 美作宗太郎
  • 雑誌名: 法医学の実際と研究 巻: 57 ページ: 149-153
  • 査読あり
• [雑誌論文] 携帯型デンタルX線撮影装置を用いた口外法による歯科X線写真撮影の身元不明死体への利用例 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大谷真紀, 大島徹, 美作宗太郎
  • 雑誌名: 法医学の実際と研究 巻: 57 ページ: 155-160
  • 査読あり
• [雑誌論文] Spinal hyperostosis as an important sign indicating spine injuries on postmortem computed tomography (2014)
  • 著者名/発表者名: Toru Oshima, Mitsumasa Hayashida, Maki Ohtani, Manabu Hashimoto, Satoshi Takahashi, Koichi Ishiyama, Takahiro Otani, Makoto Koga, Makoto Sugawara, Sohtaro Mimasaka
  • 雑誌名: Legal Medicine 巻: 16 ページ: 197-200
  • DOI: 10.1016/j.legalmed.2014.03.006
  • 査読あり
• [学会発表] 死後撮影CTで検出された眼所見～法医学からのフィードバック～ (2014)
  • 著者名/発表者名: 大島徹, 吉川洋, 大谷真紀, 美作宗太郎
  • 学会等名: 第97回秋田県眼科集談会
  • 発表場所: 第一会館本館（秋田市）
  • 年月日: 2014-12-14
• [学会発表] スマートフォンによる死後眼底撮影法 (2014)
  • 著者名/発表者名: 大島徹, 大谷真紀, 美作宗太郎
  • 学会等名: 第15回日本法医学会学術北日本地方集会（法医学談話会第101回例会）
  • 発表場所: 山形市中央公民館大会議室（山形市）
  • 年月日: 2014-10-31 – 2014-11-01
• [学会発表] Three cases of suprachoroidal hemorrhage found to be triggered by the Valsalva maneuver detected using postmortem computed tomography (2014)
  • 著者名/発表者名: Toru Oshima, Hiroshi Yoshikawa, Maki Ohtani, Sohtaro Mimasaka
  • 学会等名: 9th International Symposium on Advances in Legal Medicine (ISALM)
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡市）
  • 年月日: 2014-06-16 – 2014-06-20