飲酒由来エタノール(EtOH)が心拍再開に抑制的影響を及ぼすか否か検討した。自発呼吸停止3分後の非心静止ラットに心肺蘇生(CPR)を行った。心拍回復率(R)はEtOH 1 g/kg投与群(E1)40%、EtOH 3 g/kg投与群(E3)60%、生理食塩液投与群(S)で50%となり、各群間で差はなかった。しかし、低酸素曝露開始から自発呼吸停止までの時間(ΔT)は、S群105秒、E1群90秒、E3群76秒と各群間で有意差を認め、ΔTはEtOH濃度依存性に短縮していた。EtOH投与群と対照(S群)のCPRによるRに差がなかったのは、EtOH群のΔTが対照に比して短かったことが主な原因と考えられた。
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