全体として、①補腎剤である漢方薬「牛車腎気丸」が加齢における骨格筋でのインスリン抵抗性惹起を予防する、②「医食同源」の観点から、今まで明らかになっていない、継続的な低炭水化物食摂取が褐色脂肪機能亢進、それに続いて白色脂肪褐色化(Browning)を惹起する、という成果を見出した。①では、牛車腎気丸が加齢における骨格筋のインスリンシグナル伝達不全を予防し、ロコモティブシンドロームの一つに当たるサルコペニア発症を抑止した。②では加齢における低炭水化物食摂取の影響が、エネルギー利用を亢進させ、脂質を利用した褐色脂肪機能活性化と内臓脂肪褐色化によるものであったことを研究結果として示すことができた。
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