前頭側頭葉変性症(FTLD)は,若年性認知症の重要な原因の一つである.FTLDの臨床症状,画像,治療についての地域疫学調査を行った.FTLD66例が抽出され,10万人あたり9.5人の頻度であることが明らかとなった.4年間の追跡調査では,31例が追跡不能,18例が追跡可能であり,17例が死亡していた(追跡率54.7%).死亡例17例の発症から死亡までの平均は7.3年であった.行動障害型前頭側頭型認知症発症から死亡までの平均は5.6年であり既報告と比べて短い傾向にあった.本研究はFTLD治療やケアの現状を捕らえることに役立つことができた.
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