研究課題
若手研究(B)
申請者らは急性C型肝炎患者血清よりHCV genotype2b型クローンを構築し、ヒト肝臓キメラマウスへの接種により感染性を確認した( Suda, Virology 2010)。Genotype 2bと2a株間のキメラウイルスを用い、コア蛋白のアミノ酸配列により規定されるウイルス感染細胞の、Interleukin-6 (IL-6)、およびsuppressor of cytokine signaling 3 (SOCS3)の発現誘導能の差異がIFN感受性を決定することを報告した.申請者は樹立した新規キメラウイルスを用い、今回新規に長期培養系を樹立した。長期培養ウイルスにIFNを加え共培養を行ったところIFN耐性ウイルスを単離する事が可能で単離したウイルスをnaive細胞に感染させてもIFN抵抗性が保持されていた。全ゲノムの解析により構造遺伝子(E1およびE2)にアミノ酸置間を伴う変異を認めた。同部位に、変異を導入した変異ウイルスを構築しin vitroにおいて感染能を有しIFNに対して耐性となる事を確認した。現在その耐性機構の機序についての検討を行っている。また、DAAs(direct acting antivirals)薬剤耐性ウイルスの検討を行う為に今後早期に臨床応用が行われる事が想定されるNS5A阻害剤耐性変異ウイルス、プロテアーゼ阻害薬耐性変異ウイルスのin vitroでの感染培養系の樹立を行い薬剤耐性となる事を確認し得た。
2: おおむね順調に進展している
樹立したgenotype2a/2b キメラウイルスが長期培養が可能であり薬剤と共培養する事により薬剤耐性ウイルスの抽出が可能である事が明らかとなった。IFNと共培養する事により抽出したIFN耐性ウイルスの全シークエンス解析から明らかなとなった構造遺伝子変異ウイルス株を新規に樹立し得た。更に、そのウイルスがIFN耐性となる事も確認されおおむね目的は達成されている
樹立したIFN耐性ウイルスの耐性機構の詳細な解析を行う。臨床上問題となるDAAs耐性ウイルスのin vitro, 臨床においての検討を次世代シークエンサーも使用して行う。特に、NS5A薬剤耐性ウイルスについてはその詳細な薬剤の作用機序、耐性化機構は十分に明らかにされておらずin vitro 臨床検体を用いた検討を行う
臨床サンプルからHCV薬剤耐性ウイルスの次世代シークエンサーを用いた解析を行うにあたり臨床サンプルの収集に予想より時間を要し予定した検体数の解析が行えなかった為臨床検体サンプルは、十分数確保可能となり研究費未使用額は、平成26年度の研究計画の遂行の為の試薬、消耗品購入に使用する予定である
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