研究課題
若手研究(B)
ヒト卵膜由来間葉系幹細胞を分離・培養し,増殖能・多分化能を確認した.また,特徴的な表面抗原を発現していることも確認できた.炎症性腸疾患モデルの作成法を確立し,そのモデルに対してヒト羊膜由来間葉系幹細胞を投与したところ,体重減少が抑制され,疾患活動性や大腸の長さが有意に改善していることが確認された.また,細胞投与によって直腸における炎症性サイトカインの発現が抑制され,直腸におけるマクロファージ細胞の浸潤も抑制されていた.以上のことから,ヒト羊膜由来間葉系幹細胞が炎症性腸疾患モデルラットの病態を改善することが明らかとなった.
2: おおむね順調に進展している
動物実験については,予想通りに実験がすすみ,次年度に予定していた細胞投与の実験まで行うことができた.しかしながら,vitroの実験については,ヒト骨髄細胞を得ることが難しく,比較実験を断念した.
ヒト羊膜由来間葉系幹細胞が炎症性腸疾患モデルラットの病態を改善するメカニズムについて,さらに詳細に病理学的検討を行い,またin vitroの系を用いて確認する.また,細胞を蛍光標識して,体内分布をみていく.
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