近年、間葉系幹細胞(MSC)を用いた細胞治療が注目されており、その多くは自己骨髄由来のMSCが用いられている。しかしながら、急性期における必要な細胞数の確保、採取の際の身体への侵襲などの問題がある。一方、分娩時に通常廃棄されている卵膜にもMSCが存在し、非侵襲的に大量に得ることができる。本研究では、ラットdextran sulfate sodium (DSS)誘発腸炎モデルに対するヒト卵膜由来MSC移植の効果を検討した。 ヒト卵膜由来MSCの投与により、DSSによる強い腸管粘膜障害が抑制されていることが示された。卵膜は細胞治療における新たな細胞ソースして期待される。
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