研究課題
若手研究(B)
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は糖尿病を背景に脂肪肝を発症し、炎症や肝線維化を経て肝硬変に至るとともに肝癌の発症母地となる。近年NASH における腸肝連関、すなわち腸管粘膜透過性の亢進とそれに伴う腸管細菌叢由来成分の肝への影響がNASH 増悪因子として注目されている。申請者らは1 型糖尿病を背景に高脂肪食投与により脂肪肝からNASH、肝硬変を経て肝癌を発症する新しい動物モデル(STAM マウス)を作成した。本研究ではSTAM マウスへの低濃度DSS(デキストラン硫酸Na)投与による腸管粘膜バリアー機能低下が、NASH の病態を悪化させ肝癌発症増加に繋がるかを腸肝の細胞間結合蛋白の発現から解析する。さらに、腸管粘膜バリアー機能改善効果を有する薬剤イルソグラジン投与により、NASH 進展・肝癌発症を防げるかを検証することを目的とする。平成25年度はSTAM マウスの腸管粘膜バリアー機能の低下を腸上皮の細胞間接着分子(Tight JuncitonProteins)の発現解析をqpCRで行ったところ、脂肪肝の状態でZo-1が有意に低下したが、NASHになるとclaudin1、occuludin、connexin43の発現が増加した。
3: やや遅れている
STAMマウスの解析に手間取り、STAMマウスを用いたDSS腸炎実験が遅れている。
STAMマウスを用いたDSS腸炎実験に着手し、残りの研究計画を実施する。
消耗品の納入価格に変更があったため。次年度に400円を追加して使用予定。
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Med Mol Morphol
巻: 46 ページ: 141-152
10.1007/s00795-013-0016-1