膵癌や膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)をはじめとする膵腫瘍は、十分な組織検体を術前に得ることが容易でなく、診断・治療ともに困難な疾患である。一方で近年の目覚ましい技術革新により、以前は困難であった遺伝子解析を少量の臨床検体から容易に行うことが可能となりつつある。 本研究では検査時に得られる膵液を用い、最新の次世代シークエンサーで遺伝子変異検索を試みた。その結果、これまで報告されているようにIPMNでGNAS遺伝子変異がみられるが、この変異が膵管拡張を有するIPMNで有意に検出された。この臨床的意義については今後のさらなる解析を要するが、今回の結果は膵疾患の病態解明に寄与するものと考えられる。
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