大腸発癌機序と化学予防に関して肥満、生活習慣病に注目し検討を行った。糖尿病治療薬メトホルミン、緑茶カテキンはdb/db-Min/+マウスの腸管腫瘍数を減少させた。アスタキサンチン、降圧剤カプトプリルは別の動物モデルで大腸前癌病変を抑制した。メトホルミン、アスタキサンチンは、肥満糖尿病モデルマウスの肝発癌モデルにおいて腫瘍抑制効果を示した。その機序として酸化ストレスの改善や炎症の改善を確認した。生活習慣病治療薬やある種のファイトケミカルは、肥満・メタボリック症候群関連大腸発癌を抑制する上で、有効な候補薬剤である可能性を強く示唆するもので、現在当施設において臨床介入試験の準備を進めている。
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