研究課題/領域番号 |
25860542
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
在田 修二 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20544935)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | がんの単細胞遺伝子解析 / 消化管がん |
研究実績の概要 |
当初計画通り胃がんの生検組織を対象に単一細胞解析を計画し、まず手術検体をもちいた単一細胞解析を試みたが、腫瘍細胞の分離は困難であった。生検組織での同様の解析を計画するにはさらに困難を伴うと予想された。 現在は、同じ消化管癌である大腸がんの手術検体を用いた単一細胞解析を試みており、一定の進捗が得られている。 反復生検による解析には、得られる細胞数の面から依然困難が予想され、手術検体を用いた単回の解析を行っている。単回解析では、予定したクローナリティ解析と薬剤耐性の推定は困難で、現在は組織内のがん細胞多様性と幹細胞性についての解析を主に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
胃がん組織からの細胞採取が困難であったため、対象を大腸がんに変更したこと、予備実験として手術検体からの採取を実施したが、これ以上小さな組織からの細胞採取が困難であると予想されたことから、大幅な計画変更を余儀なくされた。 また、当該研究施設の改修計画に基づいて現在の研究スペースから別スペースへのプラットホーム一部移転を進めていたにもかかわらず、施設改修自体が実施されないこととなり、現在の研究スペースへの復帰が必要となるなど、大きな労力を要した。 末梢血循環がん細胞に関する研究は、共同実験施設の実験機器が使用不可となったことから研究の進捗は得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
がん細胞の組織内多様性を単一細胞解析により明らかにするアイデアを保持し研究を推進する計画であるが、得られる細胞数の技術的な問題点があり、今後も手術検体を用いた単回解析が中心となる見込みである。がん幹細胞性と上皮-間葉遷移・末梢血循環がん細胞の関連を中心に解析を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費・委任経理金で実施中の別研究と平行しての基礎実験に時間を要しているため、研究スペースの移転・復帰等で環境整備を実施したため。これらにかかる諸経費の多くは別予算から支出された。
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次年度使用額の使用計画 |
基礎実験の進捗にともなって当該研究としての支出が必要となる見込みである。
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