我々はこれまで、ヘリコバクター・ピロリの病原因子CagAが日本を含む東アジアにおいて胃癌と関係していることを報告している。さらに日本のピロリ菌感染者の血清CagA抗体価は組織学的胃炎の程度と相関していることも報告した。今回、大腸菌を用いCagAの全長を発現することに成功し、イムノクロマトグラフィーの原理のもと、血清CagA抗体検出キットの作製に成功した。作製したキットでは、ピロリ菌陽性/CagA抗体陽性のものは陽性となり、ピロリ菌陰性/CagA抗体陰性のものは陰性となった。ピロリ菌陽性にも関わらずCagA抗体陰性の血清については現在条件設定中である。
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