研究課題
若手研究(B)
本研究では早期大腸腫瘍内におけるゲノム・エピゲノム背景の多様性および共通性に 着目することで、大腸発癌の起源となる遺伝子異常を同定し、それを標的とした治療法につなが る知見を得ることを目的としている。同一腫瘍内、同一個体内で形態および分子レベルの多様性を示す腫瘍検体を用いてSureSelectHuman All Exon V4 、V5 キットを用いた全エクソンシークエンス、Ion PGMのCancer Panel、Infinium BeadArray を用いたメチル化解析を行った。上記解析結果から同一個体内に存在する複数の大腸癌において異なる遺伝子異常を示しており、また同一腫瘍内においても、腫瘍内部位特異的な遺伝子異常が多数存在する一方で共通に認める遺伝子異常や癌部特異的に認める遺伝子変異が存在した。次に腫瘍内の癌部でのみ認める遺伝子変異、同一個体内の腺腫では認めず大腸癌でのみ認める遺伝子変異を抽出、さらにTCGA、ENCODEなどの公開データーベースを用いた絞り込みを行い、約50遺伝子を抽出した。プライマーを設計し、ダイレクトシークエンスにて検証した。ダイレクトシークエンスにて確認された遺伝子変異を多数の大腸癌検体でさらに検証を行った。今後、臨床病理学的因子との相関、またIonPGMを用い、抽出した遺伝子全領域の変異を確認することで発癌をドライブする遺伝子変異の同定、機能解析を行うことを検討している。
2: おおむね順調に進展している
平成25年度は大規模シークエンスを行い、新規遺伝子異常を抽出するまでを予定していた。予定どうり目的の遺伝子異常を同定することができた。
今後は抽出した遺伝子異常の機能解析を進める。またエピゲノムの多様性に着目した解析、エピゲノム異常の同定を進める。
当初の計画どうり研究はできている。エクソンシークエンスは当初より少ない検体数で目的の遺伝子がいまのところ抽出できているため。今後の研究の進展により、さらに大規模シークエンスの追加が必要な可能性がある。また追加の大規模シークエンスが必要ない場合は検証に用いるIonPGM、機能解析に投入することでより確かな研究成果が得られる。
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