研究課題
前年度より行ってきたprotein PL2 'LPA2'とPN2 'NHERF2'のノックダウン安定細胞株の樹立に成功(HCT116, SW480,HT29)した。これらを用いてin vitroで抗癌剤感受性試験を実施。CDDP、5-FUを用いたところ、HCT116とHT29では有意な抗癌剤耐性が確認された一方、SW480ではノックダウン株とコントロール株での差は認められなかった。NHERF2ノックダウンHCT116細胞株とLPA2ノックダウン細胞株を、それぞれのコントロール細胞株も用いてヌードマウスの皮下に移植し、腫瘍増殖に対する抗癌剤の効果を検証した。NHERF2のノックダウンおよびLPA2のノックダウン細胞による腫瘍自体は増殖速度がコントロールと比較し緩やかなため、コントロールと比較し抗癌剤投与による腫瘍縮小効果が有意なデータとならなかった。LPA2については、共同研究によりLPA2をマウスの腸管上皮に特異的に過剰発現させるトランスジェニックマウスの作製に成功した。これを用いて腫瘍発癌と抗癌剤耐性の研究を計画していたが、小腸・大腸にびまん性にdysplasiaが出現するため長期生存できず、抗癌剤耐性の検討にはいたらなかった。これらの結果について、発癌の検討を論文化し、PLosOneに2016年4月にacceptされた。当初の研究の目的であるARの核移行による抗癌剤耐性獲得のメカニズムについて、初年度の解析でLPA2とNHERF2といったARのsheddingの上流にあるシグナルが候補として挙げられたため、これら2つに注目して研究が始まった。その一方で、AR自体の発現が膵癌の予後「良好」因子という臨床検体を用い結果となり、かつARの核移行が確認できなかったため、当初に計画した通り、本研究を膵癌に限定せずにすでにARの発現を確認している大腸癌での検討で継続した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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