研究実績の概要 |
本研究では、腸管線維化に関して、in vivoにおけるマウス腸管筋線維芽細胞での膜貫通タンパク質NADPHオキシダーゼ4 (以下Nox4)を介する活性酸素シグナル経路の活性化とその阻害効果を検証することを目的としている。平成26年度は、マウス腸管から単離した筋線維芽細胞、マウス腸管筋繊維芽細胞(LmcMF、SmcMF)におけるcollagen I産生の経路を調べることによって解析した。8週齢雄性C57BL/6マウスの大腸から単離した筋繊維芽細胞(Am J Physiol. 1997,273;G1341-8)を用いた。また山口大学共同獣医学部獣医薬理学教室、大浜剛先生、佐藤晃一先生から供与していただき当教室にて管理しているマウス腸管筋繊維芽細胞(LmcMF、SmcMF)を用いた。これらの細胞に対して、TGFβにて刺激を行うとcollagen Iの発現の増強が認められることをwestern blottingとシリウスレッド染色にて確認した。またNox4の発現の増強をwestern blottingにおいて確認した。これらのcollagen Iの発現の増強は、Nox4のsiRNAを用いることによって抑制された。またこれらのNox4上昇は、TGFβレセプターの阻害剤を用いることによって抑制された。上記の実験では、TGFβは10ng/mlの濃度で使用した。今年度の実績として、マウス大腸から単離した筋線維芽細胞、マウス腸管筋繊維芽細胞(LmcMF、SmcMF)においては、TGFβを投与すると、Nox4を介したシグナルによりcollagen Iの発現が増強することを確認した。
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