研究課題/領域番号 |
25860560
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高野 愛 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (50647584)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 幹細胞 / オルガノイド / ハイスループット / 消化器がん / テーラーメイド治療 |
研究概要 |
テーラーメイド治療の基盤研究を推進するために、今年度は、患者由来のヒト消化器がんのオルガノイド培養確立、High throughput化、およびSynthatic Lethalityに基づく創薬スクリーニングの開発の4点に注力した。その結果、大腸がん細胞培養(Sato T et al. Gasteroentrogy 2011)同様、胃、肝臓、膵臓、胆管、胆嚢がんの計5種類の消化器がん細胞の分離に新たに成功した。各分離されたオルガノイドは基本培養プロトコール (Sato T et al. Gastroentelogy 2011) に基づいて、がん由来組織の培養条件をもとに最適化を行い、継続的かつ長期的な培養が可能となった。 また、各樹立したヒト消化器がんオルガノイドの384 well plate上での培養が可能となり、各wellにCell Sorterにより一定数撒いたオルガノイドに対し、Protein Kinase Inhibitor (PKI) libraryを用いてHigh Throughputスクリーニング をおこなった。High Contents Analyzer (In Cell Analyzer 6000)を用いて細胞の撮影を行い、生存細胞のエリアおよび細胞の輝度をカウントし、がんオルガノイドに対する薬剤の効果を統計的に処理した。現在、対照として正常上皮細胞オルガノイドを用いる事で、薬剤の毒性を確認している。さらにがんオルガノイドの選択制に関しては正常オルガノイドと比較したIC50 shiftを用いて、測定基準を設定し解析を行っている。 ヒト消化器がんオルガノイドの幹細胞可視化に関しては、現在、蛍光蛋白レポーターLgr5遺伝子座位へのノックインを試みており、がん幹細胞に特化したHigh Throughputスクリーニングに発展させることを目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者由来のヒト消化器がんのオルガノイド培養に関しては安定した技術を確立できている。 また、効率的にかつスピーディなHigh throughput化も可能となっていており、解析までの一連の流れをスムーズに行う事が可能となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、目的にあったいくつかのヒト消化器がんのオルガノイドをを用いて、、Protein Kinase Inhibitor (PKI) libraryを用いたHigh Throughputスクリーニング を行っていく予定である。 また、 ヒト消化器がんオルガノイドの幹細胞可視化を試みるべく、蛍光蛋白レポーターLgr5遺伝子座位へのノックインを継続的に行い、がん幹細胞に注目したHigh Throughputスクリーニングに発展させる予定である。
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