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2013 年度 実施状況報告書

細胞極性喪失と癌細胞除去機構エントーシスにおけるオートファジーの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860561
研究種目

若手研究(B)

研究機関順天堂大学

研究代表者

稲見 義宏  順天堂大学, 医学部, 助教 (70445500)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードエントーシス / 肝癌細胞 / オートファジー
研究概要

オートファジー機能障害はp62の過剰蓄積を介して肝細胞増殖を促進させ腫瘍化を誘導すると報告してきた。しかし増殖能を獲得した細胞が癌腫形成に至るまでの各段階にオートファジーがどのように関与するのかは不明な点が多い。そこで本研究では腫瘍化細胞の次のステップである細胞極性喪失とそれに引き続いて生じる周囲正常細胞による腫瘍原生細胞認識並びに排除機構であるエントーシスにリソソームやオートファジーがどのように関与するのかを明らかとし、腫瘍化細胞の生体内環境適応を標的とした新規治療的アプローチについて模索する。昨年度、肝細胞株と肝癌細胞株を単独にcell Trackerを用い染色後、細胞をシート化した共培養にてエントーシスがどのように生じるかを共焦点蛍光顕微鏡で評価したが、蛍光色素の染色が十分でなく、肝細胞においてエントーシスが生じているのか評価困難であった。染色による細胞障害がエントーシスの評価を困難にしているため、蛍光色素を恒常的に形質導入した肝細胞株と肝癌細胞株を作製し、共培養てにエントーシスがどのように生じるかを共焦点蛍光顕微鏡で評価することとした。また、p62欠失肝癌細胞においてエントーシスによる除去が回避されるのかを検討するためにp62欠失肝癌細胞株を用い同様に蛍光色素を形質導入させエントーシスが障害されるのかを共培養にて評価することとした。これら細胞の作製と並行して、カテプシン発現変化が細胞極性に与える影響について調べるために肝癌細胞株にカテプシン発現プラスミドを導入し、カテプシン過剰発現後の細胞極性関連蛋白の発現と局在の変化をウエスタンブロット法と免疫染色によって評価するためのカテプシンLやTFEBの発現Vectorを作製した。今年度はこれらを用い実験を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

まずエントーシスを検討するため肝細胞株と肝癌細胞株を用い、肝細胞に対してはCell Tracker Greenを肝癌細胞株に対してはCell Tracker Redを用い染色し共焦点蛍光顕微鏡にて観察した。しかし、蛍光色素で染色した肝癌細胞株が十分にシート化せず、濃度調節を繰り返したが十分に染色やシート化せずエントーシスの評価検討が困難であった。このため、レトロウルスを用いた恒常的肝細胞株と肝癌細胞株に対しGreenとRedの蛍光色素を用い形質導入細胞株の作製を行った。Greenの形質導入細胞株の作製は完了したが、Redを形質導入株の作製に時間を擁した。現在GreenとRedの蛍光色素を形質導入した細胞株の作製が終了しており、タンパク発現などに問題ないことを評価した後エントーシスの評価を行う。

今後の研究の推進方策

肝癌細胞株にRedの形質導入細胞の作製が終了し、タンパク発現などの評価を行っており、今後肝細胞にGreenを形質導入した細胞株と肝癌細胞にRedを形質導入した細胞株を用いてエントーシスの評価をしていく。また、カテプシン過剰モデルを作製するためのVectorも作製中は完了しており、これを用いて今後カテプシン過剰発現をさせた細胞を用いて細胞極性関連蛋白PAR3,6などの発現や局在の変化をウエスタンブロット法と免疫染色によって評価していく。

次年度の研究費の使用計画

エントーシス評価による形質導入細胞株の作製に時間がかかってしまったため、25年度に行うはずであった細胞極性関連蛋白PAR3,6の抗体やPAR1などのVectorなどの購入を次年度にまわすこととなった。
現在細胞極性関連蛋白PAR3,6の抗体やPAR1などのVectorなどの購入し、またメタボローム解析をするための試薬などの購入を予定している。

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公開日: 2015-05-28  

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