消化管線維芽細胞・筋線維芽細胞は粘膜上皮下に発現し、消化管の炎症・線維化・癌微小環境構築に関わると知られている。本研究では様々な物理化学刺激に応答するTRPチャネルをターゲットとして、消化管筋線維芽細胞内のCa2+が果たす潜在的な役割について検討を行った。筋線維芽細胞に発現するTRPC6チャネルは、細胞外マトリックス産生・細胞内ストレスファイバー構築・細胞間接着タンパク発現・サイトカイン放出などに深く関与ことが分かった。これは腸管リモデリングに関わる筋線維芽細胞のシグナル伝達経路の解明に繋がり、消化管炎症由来の線維化・癌化の予防・治療に用いる新しい薬物のスクリーニングへ、重要な情報を提供した。
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