定量的プロテオーム解析により、正常ヒト膵臓上皮細胞と比較して膵臓癌細胞株にて高発現する膜タンパク質を探索した。同定された癌抗原候補分子が膵臓癌組織中に高発現することも免疫組織化学染色法により明らかにした。本癌抗原に対するマウスモノクローナル抗体を取得することに成功した。開発した抗体が標的とする癌抗原と結合することで細胞内へ取り込まれる活性を示す事が確認出来たため、チューブリン阻害活性を有する抗癌剤結合2次抗体を用いたin vitro ADCアッセイを行った結果、癌抗原陽性細胞に対して1nM以下のIC50 値を示し、標的抗原の発現に特異性を示した強い抗腫瘍効果を確認することに成功した。
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