日本人PBCの新規疾患感受性遺伝子として同定されたTL1Aは、PBC患者の血中・肝局所において顕著に増加していた。血中TL1Aは、治療薬であるウルソデオキシコール酸によりPBC非進行群において有意に減少するが、PBC進行群では持続高値であることが明らかとなった。これらの結果は、TL1AがPBC、特に進行群患者において新たな治療標的である可能性を示唆する。また、in vitroとin vivoの解析から、単球、マクロファージ、胆管上皮細胞から産生されるTL1Aは直接的に胆管障害に関与するよりも、Tリンパ球を介しPBCの病態形成に関与する可能性が示唆された。
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