研究課題
本研究では、心筋リモデリングの過程におけるリンパ管新生と炎症制御におけるADMの役割を、最近申請者が作製に成功したADM選択的コンディショナルノックアウトマウス(ADMcko)を用いることにより生体レベルで明らかにする。具体的には心筋特異的にCREを発現するalphaMHC-CREマウスや、心線維芽細胞にCREを発現するperiostin-CREマウスとADMflox/floxマウスを交配させることにより、心臓を構成し、かつ心負荷に反応する細胞群においてADMを欠失したマウスを作成し、解析を行う。本年度はAlpha MHC-CRE;ADMflox/floxマウス(心筋特異的ノックアウトマウス)を作成し、その解析を開始した。また繊維芽細胞特異的にADMをノックアウトしたマウスを得るために、periostin-CREとADMflox/floxとの交配を開始した。
3: やや遅れている
本研究では心筋特異的にCREを発現するalphaMHC-CREマウスや、心線維芽細胞にCREを発現するperiostin-CREマウスとADMflox/floxマウスを交配させることにより、心臓を構成し、かつ心負荷に反応する細胞群においてADMを欠失したマウスを作成し、解析を行う。本年度はAlpha MHC-CRE;ADMflox/floxマウス(心筋特異的ノックアウトマウス)を作成し、その解析を開始した。また繊維芽細胞特異的にADMをノックアウトしたマウスを得るために、periostin-CREとADMflox/floxとの交配を開始した。これらマウスに手術操作あるいは他の遺伝子改変動物との交配を行うことにより心負荷を加え、その反応を対照マウスと比較する予定であるが、マウスの交配および非負荷時の表現型解析に時間がかかり、心負荷時の表現型解析がやや遅れた状況である。
今後は研究速度を加速し以下の研究を行う予定である。①心筋あるいは線維芽細胞特異的アドレノメデュリン選択的コンディショナルノックアウトマウスにおける心負荷モデルを用いたアドレノメデュリンのリンパ管新生、炎症制御への作用の評価(前年度からの継続)。②アドレノメデュリンのリンパ管新生に対する作用の分子機序の解明。培養リンパ管内皮細胞(LEC)を用いたADMのリンパ管新生分子機構の解明研究を継続する。本年度はまた、LECを用いた研究に加え、ADM ckoより得られた組織やリンパ管内皮を用いたmRNA-シークエンス解析も行い、野生型のそれと比較することにより、リンパ管内皮におけるADMの標的遺伝子解析も行いたい。③アドレノメデュリントランスジェニックマウスによるリンパ管新生作用を利用した新規心不全予防・治療薬としてのアドレノメデュリンの可能性の検討。上記の研究によりADMの心筋リモデリングにおけるリンパ管再生、炎症制御における意義が明らかとなれば、さらに申請者らの保有するADM過剰発現マウス(ADM-Tg)を用いて(Miyashita, Nakao, et al. Endocrinology 2006)、ADMの上記病態への治療的意義の検討をいたい。
マウスの交配に予定外に時間がかかり、解析にやや遅れが生じたために、そのための試薬購入費に余剰が生じた。来年度にマウス表現型解析を行う予定であり、その解析時に使用したい。
来年度にマウス表現型解析を行う予定であり、その解析時に試薬等購入費として使用する。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~med2/jpn/research/cardio.html