研究課題
本研究では、心筋リモデリングの過程におけるリンパ管新生と炎症制御におけるADMの役割を、最近申請者が作製に成功したADM選択的コンディショナルノックアウトマウス(ADMcko)を用いることにより生体レベルで明らかにすることを目的とした。具体的には心筋特異的にCREを発現するalphaMHC-CREマウスや、心線維芽細胞にCREを発現するperiostin-CREマウスとADMflox/floxマウスを交配させることにより、心臓を構成し、かつ心負荷に反応する細胞群においてADMを欠失したマウスを作成し、解析を行った。本年度は、前年度に続きAlpha MHC-CRE;ADMflox/floxマウス(心筋特異的ノックアウトマウス;ADM ccko)を作成し、その解析を継続した。ADM ccKOは心室でのADM発現量は有意に低下していたが、basalおよび圧負荷時において明らかな心機能、構造に対照マウスと比べ変化がみられなかった。また線維芽細胞特異的にADMをノックアウトしたマウス(ADM fcKO)を得るために、periostin-CREとADMflox/floxとの交配し、その解析を行ったが、少なくとも通常の飼育条件では対照マウスと比較して明らかな心機能、構造の違いを認めなかった。これらの結果は、血中のADMが心臓局所におけるADM不足を十分補いうるためではないかと考えられ、ホルモンとしてのADMの意義が示されたと考えている。
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Cardiovascular Research
巻: 104 ページ: 183-193
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http://kyoto-u-cardio.jp/
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~med2/jpn/research/cardio.html