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2013 年度 実施状況報告書

ヒト心臓内幹細胞から心筋細胞への分化制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860603
研究種目

若手研究(B)

研究機関岡山大学

研究代表者

吉田 賢司  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70532761)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード心臓内幹細胞 / 内皮細胞 / DNAマイクロアレイ
研究概要

近年不全心に対するヒト心臓内幹細胞移植の臨床試験が行われ、次世代心筋再生医療として期待される。しかし現時点では劇的な心筋再生を認めず、より効率的な心筋再生方法の確立が必要である。我々は、ヒト心臓内幹細胞の心筋細胞に分化する割合が若年であるほど高いことを見出した。さらに本研究では下記項目を中心にヒト心臓内幹細胞から心筋細胞への分化制御機構を解明し、心筋細胞への分化誘導効率を上げることで再生医療に必要な基礎的検討を行う。
1.ヒト心臓内幹細胞から心筋細胞へ分化する際に、変化する遺伝子群の解析
ヒト心臓内幹細胞をラット新生児心筋細胞と共培養することで、ヒト心臓内幹細胞から心筋細胞へ分化させた。心筋分化効率の良い細胞株において、心筋分化前後のヒト心臓内幹細胞に対してAgilent Technologies, SurePrint G3 Human GE 8x60K ver.2.0を用いてDNA microarrayを行った。この際共培養の群ではラット新生児心筋細胞を取り除けないため、共培養しない群にはmRNA採取の段階からラット新生児心筋細胞を加えた。得られた結果では、ヒト心臓内幹細胞をラット新生児心筋細胞と共培養をすることで、ヒト内皮細胞にかかわる遺伝子群の発現が亢進していた。ヒト心筋細胞にかかわる遺伝子群に関してはヒト用DNA microarrayのチップにラットの遺伝子が反応したため、結果の解析には注意が必要と考えた。
今後はヒト心筋細胞にかかわる遺伝子群の注意深い解析とともに、ヒト心臓内幹細胞が内皮細胞に分化する機序を探索する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒト用DNA microarrayのチップがラットの遺伝子に反応したため、実験結果は予想に反し心筋分化を評価するに注意を要した。しかしヒト心臓内幹細胞がラット心筋細胞と共培養することで内皮細胞に分化する可能性があることがわかった。これは組織再生の観点からは重要な点であり今後も検討すべき点と考える。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画に基づき以下のように研究を推進する。同時にヒト心臓内幹細胞がラット新生児心筋細胞と共培養をすることで、ヒト内皮細胞に分化していることが予想されたため、その機序を解明することで重症虚血心筋症に対する新たな治療法の可能性を見いだせるものと考える。

次年度の研究費の使用計画

物品を予定より安く購入できたため未使用額が生じた。平成26年度は計画通り使用する予定である。
心筋分化を制御する遺伝子群の同定に努める。選出した候補を絞るためにLentivirusを使用しαMHCプロモーターにGFPレポーター遺伝子を組み込んだヒト心臓内幹細胞を作製する。次にレポーター導入幼児心臓内幹細胞に対して、各候補に対するsiRNAを行いラット新生児心筋細胞と共培養によりGFP発現率が変動する候補を同定する。siRNAによりGFP発現率が減少した遺伝子を心筋分化促進遺伝子、GFP発現率が増加した遺伝子を心筋分化抑制遺伝子として同定し、ヒト心臓内幹細胞から心筋細胞への分化制御機構の全貌を明らかにする。またin vivoでの心筋分化率検討のためNOD-SCIDマウスを使用する。これらの細胞培養関連およびNOD-SCIDマウス購入費のため研究費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Effect of vildagliptin, a dipeptidyl peptidase 4 inhibitor, on cardiac hypertrophy induced by chronic beta-adrenergic stimulation in rats.2014

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi T, Nakamura K, Yoshida M, Miura D, Oe H, Akagi S, Sugiyama H, Akazawa K, Yonezawa T, Wada J, Ito H.
    • 雑誌名

      CardiovascDiabetol.

      巻: 13 ページ: 43

    • DOI

      DOI: 10.1186/1475-2840-13-43.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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