大動脈瘤や動脈硬化ではプロスタグランディンEの産生が亢進していることが知られている。本研究ではEP4過大発現マウスを使用して血管平滑筋EP4シグナルが弾性線維に及ぼす影響を検討した。アンギオテンシンⅡを負荷した状態の大動脈ではコントロール群に比べて過大発現群で、弾性線維の分解を促進する、MMP-2、MMP-9の酵素活性が上昇していた。血管弾性を測定するとEP4過大発現マウスで血管弾性が低下していた。これらの結果より血管平滑筋のEP4シグナルはアンジオテンシンII存在下で弾性線維の分解が亢進することで血管弾性を低下させることが示唆された。
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