今後の研究の推進方策 |
1. rIL-33に対するマクロファージの反応性の検討(in vitro):in vivoでの実験結果をin vitroにおいても確認する。Naïveのマウスの骨髄細胞を10ng/ml M-CSFと共培養し、骨髄由来マクロファージを精製し、マクロファージのマーカーであるCD11bの発現をFACSで確認する。rIL-33を濃度を変えて加え、mRNAレベルでの、M1 マーカー(iNOS, TNF-, MMPs)、及びM2 マーカー(CD206, Ym-1, Arginase I)の発現を調べ、マクロファージの極性がどのように変化しているのかを確認する。また、炎症性サイトカイン、MMPs、collagen I, collagen III, CTGFなどの発現について、主にmRNA・proteinレベルで評価する。結果が上手くいかなければ、骨髄由来マクロファージの他に、腹腔内マクロファージ、マクロファージのcell lineなどを用いることも検討する。 2. 可溶型ST2(soluble ST2: sST2)の投与効果の検討;sST2はIL-33のdecoy receptorであり、IL-33の作用を阻害することが知られている(Nat Rev Immunol. 2011;7:321-9)。WTマウスにMI作製後、sST2を投与し、MI後の生存率、心機能、炎症応答、組織の線維化などが改善するかどうか確認する。もし仮説通り改善できるなら、今後の新規治療、創薬につながると考えられる。
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