虚血再灌流傷害には、心機能低下を伴う途絶心筋および虚血に抵抗性を示す心筋プレコンディショニングという2つの変化が存在する。我々はストレス応答タンパクであるeukaryotic translation initiation factor2α (eIF2α)に注目し、心筋においてeIF2αの活性化を自由に操作できる遺伝子改変マウスを用いて、その病態解明を行った。eIF2αを中等度に活性化すると、虚血再灌流傷害に抵抗性を持ち、強く活性化すると一過性の心機能低下をきたした。ゲノムやメタボローム、カルシウム動態、電子顕微鏡検査などを行い、虚血再灌流傷害とeIF2αの関連について研究を行った。
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