心室中部閉塞型肥大型心筋症(MVO)の診断基準を満たす30症例の臨床データを登録し心筋症原因遺伝子解析を行った。結果、20%に遺伝子変異を同定したが、サルコメア関連遺伝子群の変異はミオシン結合タンパクC、ネブレット変異のみであり、その他同定された変異は、ファブリー病と拡張型心筋症の原因遺伝子変異であったことから、通常の肥大型心筋症とは病因・病態形成機序が大きく異なることが示唆された。 なお、欧米人ではMVOにはMYL3やMYL2変異が報告されているが、本研究ではそれらの遺伝子変異は見出されず、欧米人と日本人では原因遺伝子変異のパターンが異なる可能性が考えられた。
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