高脂肪食を給餌した肥満ブタは通常食のブタに比較し、肺静脈の不応期が短縮し、誘発された心房細動の持続時間も長かったが、心房の線維化などの組織学的変化はなかった。今回の検討では、ブタ心房周囲脂肪の同定が困難であり、心房周囲脂肪と心房細動維持との関連性は解明できなかったが、これらは肥満やメタボリック症候群での心房細動発症における初期の電気的リモデリングを示している可能性がある。臨床研究では、持続性心房細動患者60例に肺静脈隔離術後、心房周囲脂肪に近接する心房壁への追加焼灼を行うと、高率に心房細動は抑制された。これは、心房周囲脂肪が心房細動維持に何らかの影響を与えていたことを示唆する所見と考えられた。
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