急性心筋梗塞急性期の病態ではSprouty4遺伝子は心筋細胞や血管内皮細胞に発現することをIn situ hybridizationにて確認した。 急性心筋梗塞後7日目の病態では、心エコー上の心収縮力や心臓サイズは、野生型マウスとSprouty4-KOマウスにおいて有意差は認めなかった。また急性心筋梗塞後7日目に組織染色によって梗塞範囲を定量化したが、野生型マウスとSprouty4-KOマウスにおいて有意差は認めなかった。急性心筋梗塞後7日目にCD31を用いて血管新生の評価をおこなったが、野生型マウスとSprouty4-KOマウスにおいて有意差は認めなかった。同様に急性心筋梗塞後6時間後、2日目、7日目のERKのリン酸化をWestern blotで評価したが、有意差は認めなかった。 以上のことからERK1/2の抑制因子であるSprouty4は心筋梗塞後の病態において発現が上昇するものの、ERK1/2の活性には影響は与えず、急性心筋梗塞後のリモデリングにおいて重要な役割を担っていないと考えられた。
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