本研究ではIPFは逆流性食道炎が原因で発生した肺間質傷害の修復過程で露出したcol(V)に対し自己免疫が生じることで発症する」との仮定の下、疫学調査や動物GERDモデルでのIPF発症を明らかにし、根治療法を開発することを目的とした。当院で手術を施行した肺癌患者のデータから、GERDの有病率は間質性肺炎を有さない肺癌患者ではIPF合併肺癌患者ではGERDの有病率が4倍以上と有意に高い事が分かった。またヒトIPF肺における解析ではcol(V), IL17Aの発現上昇は認めなかったが、マイクロアレイ解析では、GERD合併IPF症例に発現上昇を認めたものとして、TNF関連のサイトカインが抽出された。
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