研究課題
悪性胸膜中皮腫は局所浸潤能が極めて高い。また、早期発見が困難であり、内科的治療に対する治療反応性に乏しいことから、新たな診断バイオマーカーや治療標的の発見、さらに薬剤移行におけるデリバリーシステムの開発が切望されている。本研究では、主要な生存・増殖シグナルであるPI3K/PDK1/Akt系の活性化を橋渡しする新規足場タンパク質であるAki1に着目し、Aki1が悪性胸膜中皮腫における新しい治療標的分子となりうるかどうかを明らかにすることを目的に、以下の成果をあげた。1) 複数の悪性胸膜中皮腫細胞株でAki1が高発現していることを確認した。2) 複数の悪性胸膜中皮腫細胞株をsiRNA法にてAki1阻害を行ったところ、著しい細胞増殖抑制を示した。3) 胸腔内同所移植モデルを用いて胸腔内へのAki1 siRNA局所投与による抗腫瘍効果を検討したところ、有意な抗腫瘍効果を示した。以上の結果より、Aki1が悪性胸膜中皮腫において、有望な治療標的分子である可能性や、局所でのAki1阻害が抗腫瘍効果を示す可能性を明らかにした。
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