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2013 年度 実施状況報告書

移植後閉塞性細気管支炎に対するc-kitの役割

研究課題

研究課題/領域番号 25860639
研究種目

若手研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

早稲田 優子  金沢大学, 医学系, 助教 (80536037)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード閉塞性細気管支炎 / c-kit / イマチニブ
研究概要

7週齢のマウス(B57BL/6、BALB/c)を用いてBOモデルを作成。day 28にて同系移植マウスでは再上皮化し気道閉塞が起こらなかったのに対し、異系移植マウスでは上皮は欠損し気道閉塞を認めた。組織学的検討では異系移植群では21日より気道閉塞が始まり28日までに完全閉塞を確認した。次にc-Kitノックアウトマウス(C57BL/6-Wsh/Wsh)を使用して移植モデルを作成。1.BALB/c→C57BL/6 2.BALB/c→C57BL/6-Wsh/Wsh 3.C57BL/6 →BALB/c 4.C57BL/6-Wsh/Wsh→BALB/c にて評価したところ4群ともに気道閉塞し群間に差は認めなかった。Realtime PCRではc-kit mRNAは同系移植の移植28日後に増加し、免疫染色ではKit蛋白は同系移植の上皮細胞に強く発現することを確認。異系移植ではMast細胞に発現していたが線維芽細胞に発現は認めなかった。以上の結果より、BOの気道閉塞にc-kitは関与していないと結論づけた。
次に、BOモデルに対するイマチニブの効果を検証した。1.C57BL/6→BALB/c+vehicle 2.C57BL/6→BALB/c+イマチニブ(イ) 1mg/kg 3.C57BL/6→BALB/c+イ 10mg/kg 4.C57BL/6→BALB/c+イ 100mg/kg
イ10mg/kg群、100mg/kg群は気道閉塞を有意に抑えたが10mg/kg群と100mg/kg群で差はなかった。イ10mg/kg投与とし1.C57BL/6→BALB/c+イ day1-28投与 2.C57BL/6→BALB/c+イ day14-28投与 イマチニブ後期投与群では気道閉塞抑制効果に乏しかった。
イマチニブはマウス移植後BOモデルの気道閉塞を抑えることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の仮説ではBOの形成にc-kitが関与することを考えていたが、実際は結果が異なったことより方向性は変わってきているが、BOの形成においてその代わりとなる機序を現在検討中であり、そちらに関してはおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

現在は、イマチニブによるBOの気道閉塞抑制メカニズムを明らかにするため、個体レベル(ドナーorレシピエント)、細胞レベル(炎症細胞、血管内皮・周皮細胞、線維芽細胞、骨髄由来細胞)、分子レベル(PDGF、c-kit等)に分けて、これまでと同様に解析を進めて行く予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初の仮説とは異なる結果が得られたため、研究内容の見直しと計画の立て直しを行った。その結果、当初予定していた一部試薬の購入を中止したために未使用金が生じた。
見直した研究計画をもとに、必要な試薬・物品を購入し実験を進めていく予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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