研究課題/領域番号 |
25860648
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 信太郎 長崎大学, 大学病院, 助教 (60597087)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 慢性過敏性肺炎 / 環境真菌 / 真菌抗原抽出 / 免疫沈降法 / リンパ球刺激試験 |
研究概要 |
住居関連慢性過敏性肺炎の早期診断法の確立を目指し以下の具体的な研究を進めている。 【I】①真菌の関与が疑われる患者に気管支鏡検査を施行し、BALFを回収。BALFの真菌培養を行い、真菌を検出。②環境調査を行い、環境真菌を分離培養する。③患者血清に含まれる真菌抗体を、免疫沈降法を用いてスクリーニングをする。④①~③の結果を総合的に判定し、環境真菌と慢性過敏性肺炎の関与を解析している。 【II】①環境調査によって検出した真菌から粗抗原を取り出す方法を検討した。真菌培養、濾過、透析、ソニケーション、凍結乾燥という手順を踏み、真菌の粗抗原を抽出することに成功した。②現在進行中で、取り出した粗抗原を用い、同患者血清との免疫沈降法を施行している。また粗抗原を用い、患者血液とリンパ球刺激試験を行っている。リンパ球刺激試験は外注している。③既に慢性過敏性肺炎の原因として報告されている真菌や、環境調査で高頻度に検出される真菌の標準株を入手、培養し、粗抗原を取り出す方法を検討した。④今後は同粗抗原を用いて患者単核球やリンパ球を刺激し(ex vivo)、培養上清中のサイトカインプロファイルの解析を行っていきたい。具体的には急性過敏性肺炎と慢性過敏性肺炎との発症にはTh1/Th2バランスが重要と考えられており、Th1/Th2サイトカインプロファイルを解析することで発症機序や診断への手がかりに迫りたい。⑤また患者血液でのリンパ球刺激試験を行っていく方針にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来は真菌標準株を用いた粗抗原の取り出しには、より短期間で完了できると想定していたが、予定より粗抗原の抽出方法の安定化に時間がかかった。今後の患者細胞を用いた検討やリンパ球刺激試験に順次応用していく予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
真菌の粗抗原の手順は整ったので、今後は順次計画通りに進めていけると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画にやや遅延が見られており、次年度に研究を繰り越しているため。 真菌標準株の培養、環境真菌の培養、真菌の粗抗原抽出、リンパ球刺激試験、ex vivoによるサイトカインプロファイル測定に研究費を使用する。
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