研究課題
悪性胸膜中皮腫組織検体42例に対して、Pyrosequence法やnext generation sequenceによるmultiplexな遺伝子解析を終え、治療標的となりうる遺伝子異常を複数検出した。また、悪性胸膜中皮腫細胞株に対し同様の遺伝子解析を行い、組織検体と同様の遺伝子異常を有する細胞株を同定した。さまざまなチロシンキナーゼ/セリンスレオニンキナーゼを用い、有効と思われる薬剤を検討し、さらに、Westernblot法やqPCR法などで前後のシグナルの発現を検証し、有効であるメカニズムの検討を進めている。組織検体における遺伝子解析に関しては、臨床データとの照合を行い、患者予後と関わる遺伝子異常に関して検討を加えた上、学会発表を経て、昨年度から専門誌への投稿準備を進めていた。本年度のはじめに専門誌へ投稿し、掲載が許可された。また、中皮腫細胞株に対する実験は、学会発表を経て、現在、専門誌への投稿準備中である。さらに、悪性胸膜中皮腫の増殖・進展に重要な役割を果たしていると考えられるヒアルロン酸、CD44、メルリンの経路に関しても、組織検体42例に対して免疫染色を行い、患者予後との相関を検討し、予後に関わるタンパク質の発現スコアを見いだすことができた。これに関しても学会発表を経て、現在、専門誌への投稿を準備している。今後、さらに多くの検体に対して上記遺伝子解析を行い、また、同時に前向きの新鮮凍結検体を集積していく予定である。
3: やや遅れている
予定していた症例数よりも少ない症例数での遺伝子解析にとどまっている。また、チロシンキナーゼ活性プロファイリングが行えていない。
さらに多くの組織検体に対し、遺伝子解析を行っていく予定である。必要に応じ、協力施設を増やすことも検討している。また、中皮腫細胞株に対する実験をさらに推進し、同定された遺伝子異常とこれに対して有効である薬剤のメカニズムを解明したい。組織検体に対する免疫染色の結果の解析もさらに進めていきたい。
研究の進行が若干遅れており、さらに、組織検体解析や悪性胸膜中皮腫細胞株に対する実験への使用を計画しているため。
上記の通り、組織検体解析や悪性胸膜中皮腫細胞株に対する実験への使用を計画している。
すべて 2014
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Lung Cancer
巻: 86 ページ: 35-40
10.1016/j.lungcan.2014.08.004. Epub 2014 Aug 18.