喫煙による細胞老化の亢進は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)病態で重要で、脱アセチル化酵素のSIRT6は抗老化作用を示す。我々はSIRT6によるオートファジー制御が、喫煙誘導性細胞老化で果たす役割を検討した。結果COPD患者由来肺組織ではSIRT6発現が低下しており、喫煙刺激はSIRT6発現を低下させた。SIRT6がインスリン様成長因子(IGF)-Akt-mTORシグナル伝達系の抑制によりオートファジーを誘導し、気道上皮細胞における細胞老化制御に関与することが明らかとなった。SIRT6の発現調整によるオートファジー誘導は、COPDの新たな治療戦略となる可能性が示唆された。
|