喫煙刺激は気道上皮細胞においてミトコンドリア分裂を促進し、活性酸素種ROSの産生を増加させ、細胞老化を誘導した。ミトコンドリア分裂促進自体もROSの産生を増加させ、細胞老化を誘導した。抗酸化剤は喫煙誘導細胞老化、ミトコンドリア分裂促進による細胞老化を抑制した。マイトファジー低下による分裂ミトコンドリアの蓄積、ROS増加は細胞老化を促進した。電子顕微鏡による肺組織の検討ではCOPD患者では、非喫煙者の気道上皮細胞と比較してより多くの断片状のミトコンドリアを認めた。以上より、肺でのミトコンドリア分裂促進、マイトファジー低下がROS増加、細胞老化亢進を介してCOPD病態に関与する可能性が示唆された。
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